日本ブッシュクラフト協会(JBA) 認定ブッシュクラフターの ゼロイチキャンプです。この記事は、認定資格を持つ筆者が監修し、執筆まで行っています。
今回のゼロイチキャンプは、失敗しないフェザースティックの作り方を解説します。
さらに、この記事では筆者がブッシュクラフトのイベントや講習会でしか伝えていない”有料級の情報”を紹介します。
フェザースティックが苦手な方や挑戦したい方など、正しい作り方を知ることで上手に作れるようになります。
はじめにフェザースティックについて少し解説すると、焚き火の火起こしの際に火口(ほくち)や焚き付けとして使います。
一般的な火起こしでは、着火材や固形燃料などが使われることが多い。
では、着火材や固形燃料を忘れてしまったら、どうやって火起こしをしますか?
このようなピンチにもフェザースティックを作ることができれば、着火材がなくとも簡単に火起こしができます。
フェザースティックはブッシュクラフトの基本の技術でもあります。
これから、ブッシュクラフトに挑戦した方にもおすすめです。
今回のゼロイチキャンプではブッシュクラフトのインストラクターが、正しいフェザースティックの作り方やコツを完全解説します。
この記事を読んでわかること、役立つ情報とは。
- フェザースティックの正しい作り方とコツがわかる。
- フェザースティックが上手に作れるようになる。
- フェザースティックの基本情報を紹介します。
- ブッシュクラフトの技術を学ぶことができる。
- 現役のブッシュクラフトインストラクターが解説。
下の記事では、日本ブッシュクラフト協会(JBA)認定ブッシュクラフターである筆者が、今から始めるブッシュクラフトを監修から執筆まで行っています。
フェザースティックとは、焚き火の火起こしに便利な火口と焚き付けになる。
フェザースティックとはナイフや手斧、鉈など、刃物で木を薄く削る技術のことをいいます。フェザースティックはできあがった見た目が”鳥の羽毛”に似ていることから名付けられている。
一般的なソロキャンプやBBQでは、焚き火をするときに着火剤や固形燃料などを使用し、火起こしをしているのではないでしょうか。
では、ソロキャンプやBBQに着火剤を忘れてしまったら、みなさんはどのように火おこしを行いますか?
結論から申し上げると、着火剤がなくともフェザースティックがあれば、火起こしができるようになります。
ブッシュクラフトや野営キャンプでは薪が雨で濡れていたり、雪で木を拾い集めることが困難な状況でないかぎり、基本的に着火剤は使用しません。
ブッシュクラフトや野営キャンプでは、フェザースティックやスギの皮・麻ヒモをほぐしたもの、枯葉、松ぼっくり、白樺の樹皮、松ヤニなど、自然にあるものを火口(ほくち)や焚き付けとして使います。
フェザースティックは焚き火をするときの火口にも、焚き付けにも使える天然の着火剤です。
【フェザースティック】火口(ほくち)と焚き付けを解説。
火口(ほくち)とは、マッチやファイヤースターター(メタルマッチ)など、発火器具をつかい、火種を起こすための素材のことをいいます。
火口の代表的なものには、フェザースティックやスギの皮・麻ヒモをほぐしたもの、木のダスト、チャークロス、白樺の樹皮、松ヤニなどがあります。
火口は乾燥していたり、ふわふわした素材であったり脂を含んでいたりするなど、小さな火種でも簡単に燃えるものになります。
焚き付けとは火口(ほくち)の小さな炎を、さらに大きな火へと成長させるための素材をいいます。
焚き付けの代表的なものには小枝やフェザースティック、スギ・松の枯葉、松ヤニ、白樺の樹皮などがあります。
焚き付けは、焚き火の火力を安定させるためのベースとなる素材です。フェザースティックは、火口にも焚き付けにもなる。
下の記事では、焚き火に最強に便利な道具である”火吹き棒”を特集しています。火吹き棒があるとないとでは、焚き火の効率が大幅に差が出る。
【おすすめ】フェザースティックのメリットを紹介。
フェザースティックのメリットには、ナイフの使い方が上達することがあげられます。
フェザースティックは細かいナイフワークを必要とするため、ブッシュクラフトを始めたい方や苦手な方など、技術を向上したい方におすすめです。
ナイフワークが上達すると、ソロキャンプはさらに楽しくなったり自信が持てるようになったりします。
フェザースティックはナイフと割り箸があれば、自宅でも練習ができます。
フェザースティックは、ブッシュクラフトの技術を磨くのにおすすめ。筆者も普段から、自宅で練習しています。
下の記事では、初めてのアウトドアナイフにおすすめの”モーラナイフのコンパニオン”を特集しています。大人気のコンパニオンとヘビーデューティーの違いを解説。
【ブッシュクラフトインストラクター直伝】フェザースティックの作り方とコツを解説。
日本ブッシュクラフト協会(JBA)認定ブッシュクラフターである筆者(ゼロイチキャンプ)が、普段はイベントや講習会でしか教えていない”正しいフェザースティックの作り方”と”コツ”を解説します。
先述したとおり、フェザースティックはナイフと薪があればブッシュクラフトすることができます。
ただし、どんな木や薪でも良いというわけではありません。
木には針葉樹と広葉樹とよばれる種類があったり、フェザースティックをクラフトするのに適切なサイズがあったりします。
また、アウトドアナイフもフェザースティックをクラフトするのに、最適な種類やブレードというものがあります。
フェザースティックを作るときは、最適な木とナイフを選ぶことがポイントです。
フェザースティックを作るときは、正しいフォーム(姿勢)であったり、ナイフの使い方であったりするなど、技術的なことも必要となります。
とくに、フェザースティックをクラフトするときには、スタンディングポジションとシッティングポジションとよばれるフォーム(フォーム)があります。
そのため、正しいフォームとナイフの使い方を知らずにフェザースティックをクラフトすると、無駄に力が入ったり綺麗なカールができなかったり、ケガをしたりするなど、マイナス面に繫がってしまう。
フェザースティックが苦手な方や、これからチャレンジする方におすすめのフォームやナイフの使い方があります。
フェザースティックの正しいフォームや基礎知識を知ることで、上達が早くなったり綺麗な見た目のフェザーが作れるようになります。
正しいフェザースティックの作り方とコツを解説。
- フェザースティックに最適な薪を準備する。
- 【おすすめ】フェザースティックに最強のアウトドアナイフを解説。
- 正しいフェザースティックのフォームとは。スタンディングポジション、シッティングポジションを解説。
フェザースティックに最適な薪を準備する。
キャンプ場やアウトドアショップ、ホームセンターなどで売られている薪には、針葉樹と広葉樹とよばれる種類があります。また、フェザースティックには、クラフトしやすいサイズ感というものがある。
フェザースティックを簡単につくったり、見た目の美しいフェザーにしたりするには、薪で決まると言っても過言ではありません。
これはブッシュクラフトのインストラクター講習会でも解説していますが、見た目に美しいフェザースティックを作る場合、およそ7割は薪選びで完結しています。
上の写真のように、美しいカールが織りなすフェザースティックをSNSやYouTubeで見たことがある方も多いはず。
一見、繊細な技術が必要で熟練のブッシュクラフターしか作れないように思われますが、実はそうではなく”薪”に着目してほしい。
このように美しいカールのフェザースティックは、どれも同じ素材やサイズの薪が使われていることが多く、自然に落ちている薪というよりかは、角材や割りばしのような柔らかく繊維が直線的な素材となっています。
フェザースティックは薪選び7割、技術が3割あればできます。
では、より具体的にフェザースティックに最適な薪とサイズを解説していきます。
下の記事では、ソロキャンプ向けの軽量でコンパクトな”ノコギリ”を特集しています。こちらのノコギリの記事は、ゼロイチキャンプの中でも大人気です。
針葉樹
針葉樹は字のごとく針のように尖った葉が多く、組織の構造がシンプルで真っすぐに木が育ちます。また木の特徴として、柔らかく燃えやすいことがあげられます。
針葉樹は空気や油分を多く含み、組織構造がシンプルに作られています。
針葉樹の特徴として軽く、柔らかく、燃えやすいことがメリットにあげられます。
針葉樹は柔らかく油分を多く含むため、今回のテーマであるフェザースティックをするのに最適な薪となります。
針葉樹は英語で「Soft Wood」とよばれる。名前のとおり、柔らかい樹であることがわかります。
【ポイント】フェザースティックをするときは、親指くらいの太さの薪を準備する。
針葉樹を選ぶことができたら、つぎはフェザースティックを作るのに最適なサイズに薪を割ります。
薪を割るときは、上の写真にあるようにナイフや鉈、手斧など、刃物をつかいバトニングで薪を小さく割ります。
フェザースティックに最適な薪のサイズは、親指くらいの太さを目安にしましょう。
また、薪の長さはソロの焚き火台にくべることができる20㎝~40㎝くらいがおすすめです。
市販されている薪は、約30㎝~40㎝ほどが多い。バトニングをして、親指くらいの太さになるようにしましょう。
薪が太すぎると着火の難易度が上がります。また、薪が細すぎると折れたりしてフェザースティックが作りにくいことがある。
代表的な針葉樹とは。
- スギ
- ヒノキ
- アカマツ
- イチョウ
広葉樹
広葉樹は針葉樹と比較すると、組織の構造が複雑で細胞が多い。そのため空気が少なく重量があるため、とても硬い特徴があります。広葉樹は英語で「Hard Wood」とよばれています。
広葉樹は組織構造が複雑で空気量が少ないため、針葉樹と比較すると重くとても硬い樹となる。
そのため、フェザースティックのように火口や焚き付けのような着火剤としてはやや不向きである。
しかし、広葉樹は密度が高いので、薪に火がつけば燃焼時間の長いメリットがあります。
広葉樹の葉っぱは、平べったい特徴があります。桜やクヌギなど、都心の公園にあるような木も広葉樹です。
焚き火が安定するまでは針葉樹をつかい、火が安定したあとは、火持ちのいい広葉樹をつかうとベスト。長い時間、焚き火を楽しめる。
広葉樹をアウトドアナイフでブッシュクラフトをするときは、注意が必要となります。
とくに、ナイフを使ったバトニングやチョッピングでは、ナイフの刃がチップ(欠け)したり折れたりすることもあります。
ナイフや鉈、手斧、ノコギリなど、刃物を扱うときは厚手のグローブがおすすめです。
ケガを軽減したり、火傷を防いだりするなど、とても便利なキャンプギアです。
広葉樹はとても硬く、重量のある樹です。薪割りをするときには、手斧やタガネ、鉈、ノコギリなどを使うことをおすすめする。
代表的な広葉樹とは。
- ブナ
- ケヤキ
- クヌギ
- ナラ
- サクラ
- シラカバ
下の記事では、ソロキャンプにおすすめの耐熱グローブを特集しています。耐熱グローブは刃物のケガを防いだり、焚き火の火傷などを軽減したりできます。
【おすすめ】フェザースティックに最強のアウトドアナイフを解説。
一般的にアウトドアナイフの種類にはツールナイフやフォールディングナイフ、シースナイフとよばれるものがあります。
今回のブログテーマであるフェザースティックをブッシュクラフトするのであれば、フォールディングナイフとシースナイフがおすすめとなります。
ツールナイフでフェザースティックを作れないことはありませんが、ブレードの刃厚や刃の長さ、グラインド、耐久性を鑑みるとおすすめできません。
性能やスペック、用途に適さないナイフで無理にフェザースティックを作ろうとすると、ナイフが破損したりケガをしたりすることになります。
アウトドアナイフは、種類にあった正しい使い方をすることが大切です。
フェザースティックをブッシュクラフトするときは、親指くらいの太さの薪が必要となります。
一般的にキャンプ場やアウトドアショップ、ホームセンターで売られている薪は厚みや長さ、種類もそれぞれ異なります。
フェザースティック専用サイズの薪は、販売していません。
そのため、親指くらいの太さの薪にするためにはナイフや手斧、鉈などの刃物でバトニングをしたり、ノコギリで短く切断したりする必要があります。
バトニングをするのであれば、フォールディングナイフよりも耐久性や耐衝撃性に優れるシースナイフがおすすめです。
シースナイフとは、上の写真にあるようなシース(さや)を備えるアウトドアナイフのことをいいます。
キャンプやアウトドアで大人気のモーラナイフのコンパニオンも、シースナイフです。
バトニングは、ナイフにとても強い衝撃が掛かります。シースナイフでも、折れることがある。
シースナイフにも刃厚やタング構造、グラインドなど、スペックや性能に違いがあります。まずは、ナイフの基礎知識を知ることが大切です。
下の記事では、アウトドアナイフの基礎知識やブッシュクラフトにおすすめのナイフを紹介しています。図解やイラストをつかい、どこよりもわかりやすい内容となっています。
正しいフェザースティックのフォームとは。シッティングポジションとスタンディングポジションを解説。
フェザースティックをブッシュクラフトするときには、シッティングポジションとスタンディングポジションとよばれるフォーム(姿勢)があります。
フェザースティックをするときのフォームは、クラフトのしやすさであったりキャンプスタイルであったりするなど、人によって異なります。
ただし、初めてフェザースティックにチャレンジする方や苦手な方には、シッティングポジションがおすすめです。
人によってフェザースティックの作りやすさや安定感が異なるため、どちらのフォームも試してみることをおすすめします。
フェザースティックを作るときにはフォーム(姿勢)のほかにも、ナイフの握り方であったり刃の入れ方であったり、削り方であったりするなど、技術的なことが必要となります。
ブッシュクラフトするときのフォームや基礎知識、技術を知らずに行ってしまうと上手くフェザーが作れなかったり、体力を消耗したり、ケガをしたりすることに繫がってしまう。
フェザースティックは、フォームやナイフの使い方がとても重要となります。
正しいフェザースティックのフォームを解説。
- シッティングポジション
- スタンディングポジション
【シッティングポジション】フェザースティックの作り方とコツを解説。
シッティングポジションは腰を落とし、地面に片膝立ちや両膝立ちの状態でフェザースティックをブッシュクラフトするフォーム(姿勢)をいいます。この方法は、押し切りともよばれたりします。
シッティングポジション(押し切り)の特徴は薪割り台や地面、倒木などに薪を固定しフェザースティックをクラフトするため、安定感や快適性に優れることがあげられます。
そのため、シッティングポジションは初心者の方やナイフワークの苦手な方、力の弱い女性キャンパーにおすすめです。
初めてフェザースティックに挑戦する方は、シッティングポジションでの押し切りがおすすめです。
シッティングポジションのフォームをつくります。
薪割り台の前に両膝立ちし、肩幅くらいに脚を広げます。
NG写真のように、脚を伸ばして行うとナイフの刃でケガをする危険があります。
ナイフや鉈、手斧、ノコギリなど、アウトドアで刃物を扱うときは、刃の動く先に自分の体がないことが絶対的な条件となります。
刃物の先に体がなければ、誤ってナイフが走ったとしてもケガをすることを防ぐことができます。
両膝をつくのが痛かったり、しんどかったりする方は、片膝立ちでも大丈夫です。
下の記事では、ソロキャンプ向けの鉈(ナタ)を特集しています。鉈でもフェザースティックを作ったり、バトニングすることができます。
【フェザースティックの作り方】ナイフの持ち方について解説。
フェザースティックを作るときのナイフの持ち方は、グリップをグーで握る形が基本となります。
また、薪を削るときは親指と人差し指だけ力を入れるようにすると、無駄な力が入らずにスムーズに削ることができます。
初心者の方はナイフを握力全開で握ってしまいますが、親指と人差し指だけ力を入れる気持ちで、リラックスして行うことがポイントです。
薪割り台に親指の太さくらいの薪を固定し、ナイフの刃をあてます。
上の写真にあるように、親指くらいの太さの薪を手に持ち、薪割り台に固定します。
フェザースティックをブッシュクラフトするときは、薪の長さによりますが中間地点くらいに刃をあてます。
刃を当てる位置は、薪の角を狙うことがポイントです。
薪の角を狙ってブレードを当てることが、フェザースティックを上手に作るコツです。
フェザースティックは削るときのブレードの場所であったり、削り方によってカール(フェザー)の出来栄えが変わります。
フェザースティックを作るのに慣れるまでは、アウトドアナイフのブレードの中心部や刃元に近いところを使ってクラフトしましょう。
ブレードの中央部分は、腕の力や体重をしっかりと伝えることができます。
ブレードの刃先をつかってフェザースティックを作る方法もありますが、刃先は厚みが細いので、すこし難易度が高くなります。
下の記事では、アウトドアナイフの中でも最強のフルタングナイフのみを特集しています。バトニングをするのであれば、フルタングナイフがおすすめです。
フェザースティック上手く作るコツは、薪の角を削ること。
薪の角を狙ってナイフの刃を寝かせたら、刃の角度を変えずに薄く削るような気持ちで、平行に削っていきましょう。
ナイフの刃を薪に当てるときは、刃を立てると厚いフェザーになります。
逆にナイフの刃を浅く当てると、薄いフェザーを作ることができます。
削っている最中にカール(羽)が落ちてしまっても失敗ではありません。最後に落ちたカールも拾い集めれば、火口として使うことができます。
薪の角を2~3回削ると、上の写真のように削ったところの両サイドに”新しい角”ができます。
つぎに、新しくできた角を削っていきましょう。
フェザースティックはこのように、新しい角を作っては削ってを繰り返します。
薪の角部分は、ナイフのエッジが効率的に当たり削りやすい。
フェザースティック上手く作るコツは、ナイフで削ったカール(羽)を起こすこと。
ナイフの刃を薪に平行に削っていくと、カールとよばれる羽ができあがります。
このとき、次のカール(羽)が作りやすいように、カールの根元をナイフの刃ですこしだけ立てます。
カール(羽)を起き上がらせることで、次のカールを削りやすくしたり羽を落ちるのを軽減したり、起き上がりの目印にしたりするなどメリットがあります。
カール(羽)を起き上がらせることで、安定感のあるフェザースティックを作ることができます。
片側のみ削ったフェザースティック。
上の写真は、薪の片側を削って出来上がったフェザースティックとなります。
片側の左右にできる角を交互に削るフェザースティックは、ベーシックな作り方となるため、初心者の方や苦手な方にもおすすめです。
まずは、片側を削る作り方から始め、基本のフェザースティックを覚えてみましょう。
片側を削るフェザースティックは、基本となります。ナイフワークの練習にもおすすめです。
木を回しながら作るフェザースティック。
上の写真は、薪を回しながら作り上げたフェザースティックになります。
薪を回しながら角を削っていく方法は、角をつくりながら手で薪を回し、1周するように削っていきます。
片側を削る作り方を覚えたら、こちらの回しながら削るフェザースティックに挑戦してみましょう。
【シッティングポジション】疲れたときは、自重をつかってクラフトしてみよう。
フェザースティックを作ったことがある方なら分かると思うが、驚くほど集中力や腕の筋力、握力など、総合的な体力を消耗します。
初めの方に解説しましたが、焚き火の火起こしをするときにフェザースティック1本だけでは、着火をすることはほぼ不可能です。
火起こしをするときには、最低4本~5本のフェザースティックが必要となります。
日本ブッシュクラフト協会(JBA)の火起こしマスターの資格テストは、制限時間内にフェザースティックを5本ブッシュクラフトし、火起こしを完成させなければならない。
ちなみに、筆者はJBAのテストのとき、フェザースティック5本作るのに約7分掛かりました。バトニングも含めてですが。
フェザースティック1本作るのに約1分だとしても、およそ5分以上は削り続けることになります。いかに体力と集中力を使うのか想像できます。
【有料級】フェザースティックのをうまく作るコツを紹介。
ここから解説するテクニックは、正直なところ有料級の内容となる。普段はイベントや講習会の参加者にしか、筆者も教えていません。
一般的にシッティングポジションでフェザースティックをするとき、利き腕にナイフを持ち、肘から下の腕をつかってブッシュクラフトされているかと思います。
熟練のブッシュクラフターであれば無駄な力も入れることなく、5分以上フェザースティックをクラフトすることもできます。
しかし、フェザースティックを初めて作る方や苦手な方では、5分以上もフェザースティックを作ると、前腕の筋肉や握力に相当の疲労が蓄積します。
腕や握力に疲労が溜まった状態でブッシュクラフトを続けると、ケガをすることに繫がります。
これから腕の力ではなく、シッティングポジションではあるが、自重をつかったフェザースティックの作り方を解説します。
自重を使うシッティングポジションは、上の写真にあるように、腕をしっかりと伸ばした状態が正しいフォームとなります。
自重を使ったシッティングポジションは、肘と手首を固定するようなイメージです。
薪を削るときは上半身をすこし起き上がらせて、肘と手首を固定したまま上半身の自重をつかって薪を削ります。
自重で削るので、腕の力で削るよりも体に負担が掛かりません。
薪にナイフを当てる動作であったり刃の立て方であったり、薪と平行に削ったりするなど、基本の削り方は先に解説したシッティングポジションと同じです。
自分の上半身の体重を使えば、楽にフェザースティックを作ることができます。どちらのやり方も知っておくと便利です。
上の写真のように、しっかりと肘と手首を固定し自重をかけることで、力を入れなくてもカール(羽)を作ることができます。
この方法でのフェザースティックを上手に作るコツは、ナイフのブレードを薪に当てる角度に気をつけることです。
自重を使うため、ナイフの角度を合わせるのにすこし練習が必要なこともある。
自重をつかうシッティングポジションは、慣れてしまうと簡単にできるようになります。
下の記事では、焚き火の火起こしに最強のキャンプ道具である、メタルマッチ・ファイヤースターターを特集しています。
【スタンディングポジション】フェザースティックの作り方とコツを解説。
スタンディングポジションでのフェザースティックは、薪を薪割り台や地面に固定せずに、薪を手に持ってブッシュクラフトするフォーム(姿勢)のことをいいます。
スタンディングポジションとかしこまった名前になっていますが、薪を手に持てる姿勢であれば問題ありません。
立って行ってもいいですし、イスや地面に座ったまま行っても大丈夫です。
スタンディングポジションは薪割り台がなくてもブッシュクラフトできるため、実践向きのフォームとなる。
スタンディングポジションでの正しいフォーム(姿勢)は、ナイフを持っている手を伸ばすことです。
このとき、肘を伸ばして肩から手首まで、1本の棒になるように固定するイメージが良いでしょう。
ナイフの握り方はこれまでと同様に、グリップをグーの形になるように握ります。
持っている薪が短い場合や、腕の長い方は肘を曲げても大丈夫です。手首がしっかりとホールドできれば問題ありません。
フェザースティック上手く作るコツは、ナイフを持っている手や腕、肘、肩を固定すること。
スタンディングポジションで薪を削るときはナイフを動かすのではなく、手に持っている薪を引くようにして削っていきます。この方法は、引き切りとよばれたりします。
シッティングポジションでは薪を薪割り台や地面に固定したため、ナイフを動かして薪をブッシュクラフトしました。
しかし、スタンディングポジションは薪が宙にあるため、固定することができません。
そのため、ナイフを持っている手や腕、肘、肩を固定する必要があります。
スタンディングポジションでの薪の削り方は、先述したシッティングポジションと同じです。
薪の角をつかい中央あたりに、ナイフの刃を寝かすように当てます。
そのまま、ナイフの刃を少し当てるイメージで、持っている薪をナイフの刃にスライドさせるように引きます。
薪を引くときは、真っ直ぐスライドさせるように引くことがコツです。
引き切りは慣れると、高速で削ることができます。そのほかにも、超薄いカールが織りなすフェザースティックを作ることもできる。
下の記事では、ブッシュクラフト向けの手斧(ハチェット)を特集しています。軽量でコンパクトな手斧は、ソロキャンプにおすすめ。
フェザースティック上手く作るコツは、ナイフで削ったカール(羽)を起こすこと。
薪をナイフの刃にスライドさせると、シッティングポジションと同じようにカール(羽)が作られます。
出来上がったカールは根元を少し起き上がらせ、次のカールを作りやすくします。
カール(羽)を起き上がらせることで、次のカールを削りやすくしたり羽を落ちるのを軽減したり、起き上がりの目印にしたりするなどメリットがあります。
フェザースティックを作る工程は、シッティングポジションもスタンディングポジションも同じです。フォームが異なるだけ。
【フェザースティックの作り方】スタンディングポジションでのメリットを紹介。
スタンディングポジションは薪を固定しないので、難しいようにイメージされると思いますが、慣れてしまうと比較的簡単にできるようになります。
薪割り台が入らないので、自宅の割りばしを使って練習できることもスタンディングポジションのメリットにあります。
筆者は、薪割り台を使わないスタンディングポジション(引き切り)の方が、フェザースティックを作りやすい。
自宅で割りばしを使って、ぜひフェザースティックを作る練習をしてみましょう。
【まとめ】フェザースティックの作り方&コツをブッシュクラフターが解説。
今回のゼロイチキャンプは、正しいフェザースティックの作り方とコツを現役ブッシュクラフターである筆者が実践しながら解説しました。
フェザースティックは焚き火をするときに着火剤を忘れてしまったり、着火剤を使用しない着火方法の火口・焚き付けに使うことができたりするなど、とても便利なブッシュクラフトです。
また、フェザースティックはナイフワークを向上するのに最適なブッシュクラフトとなっており、これからブッシュクラフトを始めたい方や苦手な方におすすめです。
着火剤がなくてもフェザースティックを作れるようになれば、簡単に火起こしができるようになります。
ぜひ、この記事を参考にソロキャンプやBBQでフェザースティックを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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